創立者の物語 第13話 同僚から、一冊の本を渡された - あすハピ|明日もハッピーに

やり直していたある日、当時の同僚から一冊の本を渡された。

斎藤一人さんの本だった。

「日本一の納税者、実業家だからおすすめだよ」と言われた。それだけだった。特に長い説明はなかった。

家に帰って、開いた。

最初に目に入った言葉が、「考え方を変えれば、現実が変わる」だった。

正直に言う。

「そんなものか」と思った。

現実は現実だろう、と。借金は消えない。実績はない。考え方を変えたところで、数字は変わらない。お客さんが増えるわけでも、借金が減るわけでもない。そういう気持ちが、先に来た。

でも、本を閉じなかった。

他にやれることもなかった、というのが正直なところだ。あの時の自分には、選択肢がそんなに多くなかった。だから、とりあえず真似してみようと思った。信じなくていいから、やってみよう。

口に出す言葉を変えてみた。

ネガティブな言葉が出そうになったら、飲み込んで、別の言葉に替えた。「ついてる」「ありがとう」「うまくいってる」。最初は空々しかった。本気でそう思えているわけじゃなかった。声に出しながら、自分でも半信半疑だった。

でも続けた。

続けられたのは、この後に起きたことのためでもあった。

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