
数字は出た。でも、その代償は大きかった。
激務の中で、仕事に向き合う姿勢のずれが積み重なっていった。言葉にするほど大げさなことじゃない。でも、毎日少しずつ積み重なると、やがて人間関係が壊れていく。
気づいた時には、動けなくなっていた。
鬱だった。
「やらなければ」という気持ちはあった。頭ではわかっていた。でも、体が動かなかった。
気持ちと体が、バラバラだった。
「やる気がない」とは違う。やりたい気持ちはある。でも体が言うことを聞かない。あの感覚は、経験した人にしかわからないと思う。自分でも最初は、「なぜ動けないのか」がわからなかった。
休みの日は、1日寝続けた。
起き上がれない、というより、起き上がる理由が見つからなかった。天井を見ながら、時間だけが過ぎた。何もしていないのに疲れていた。夜になると、また明日が来ることが、少し怖かった。
一番きつかったのは、誰にも言えないことだった。
経営者だから、弱いところを見せられなかった。「しんどい」と言えば、周りに不安を与えると思っていた。だから、一人で抱えていた。
孤独だった。
今ならわかる。あの時の孤独は、鬱そのものより、ひどかった。しんどいのに、しんどいと言えない。助けを求めたいのに、求められない。その二重のしんどさが、一番重かった。
あの経験があるから、あすハピで「誰にも相談できない」というしんどさを扱いたいと思っている。
「大丈夫か?」と聞いてくれる人が、一人いるだけで、人は持ちこたえられる。
あの時の自分に、そういう場所があればよかった、と思う。