創立者の物語 第3話 18歳、高校を辞めた理由 - あすハピ|明日もハッピーに

18歳で、高校を中退した。

「なぜ辞めたのか」と聞かれると、今でも少し考える。劇的な理由があったわけじゃない。先生と揉めたわけでも、いじめがあったわけでも、家庭の事情でもなかった。

ただ、アルバイト先の方が、現実だった。

それだけだ。

アルバイトを始めたのは、高校に入って少し経った頃だった。最初は小遣い稼ぎのつもりだった。でも働き始めてすぐに、気づいたことがあった。

ここには、お客さんがいる。

お金が動いている。誰かの役に立って、「ありがとう」と言われる。自分が動けば、何かが変わる。その手触りが、教科書の言葉より確かだった。

学校が嫌いだったわけじゃない。ただ、「これを学んでどこへ向かうのか」が、どうしても見えなかった。授業を聞きながら、「いつか使うかもしれない知識」を頭に入れる時間より、今日お客さんと話して、何かを動かした時間の方が、自分の中に積み上がっていく感じがあった。

早く動きたかった。それが正直なところだ。

辞めると決めた日、周りの目がなかったと言えば嘘になる。「高校も出ていないのか」という目は、その後も何度か感じた。でも後悔はなかった。あの時の選択は、自分の意志で出した最初の答えだったから。

そのままアルバイト先に就職した。

20代に向けて、自分なりの積み上げが始まった。いつかは会社を作る、という気持ちが、この頃からあった。根拠はなかった。でも、確信だけはあった。

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