
20代の前半、会社員として働きながら、いつかは自分で会社を作ると決めていた。
漠然とした夢ではなかった。「いつかなれたらいいな」という話じゃなかった。もっと静かで、もっと確かな確信だった。だから、毎日の仕事をただこなすことができなかった。
どうすれば人を動かせるか。どうすれば信頼を得られるか。どうすれば相手が「この人に頼みたい」と思うか。
仕事をしながら、ずっとそれを考えていた。
評価ももらえた。「お前はやれる」と言ってくれる人もいた。手応えがあった。自分の中に何かが積み上がっていく感覚があった。その感覚が、毎日働き続ける理由になっていた。
24歳の時、友人から連絡が来た。
「一緒にやらないか」
その言葉を聞いた瞬間、「今だ」と思った。
迷いはなかった。準備してきたつもりだった。友人の足りないところを自分がカバーできる確信があった。自分の力を試す時が来た、そう思った。
あの時の「やってみよう」という感覚は、正しかったと今でも思っている。
ただ、世の中は「確信」だけでは動かなかった。
そのことを、これから学ぶことになる。